少し傷ついたんですけど…。
そんなに恐れられてるとは知らなかった。
突き落としてもビクともしなかった私に怯えているのか、一定の距離から近づいてこない。
『そうすれば要様はアナタに幻滅!即破局よ!』
色んな人の言葉に影響受け過ぎなのか、その辺はよく分からないが色々疲れた。
もう今日は大人しくしてよう。
小さくため息をついて彼女達に背を向けると、足首に小さな痛みを感じた。
「??」
足を一歩踏み出すごとに増す違和感は、いよいよ大きな音になって体中に走る。
「どうかされました?」
「いや、何か足が痛くて動か…」
声をかけられて振り向き様に答えかけて、息を止めた。
「足が動かない?」
「ということは捕まえ時では?」
やべ!
なんか余計な展開になってる…!
試しに右足を踏みしめてみるが、痛みは幻覚ではないようで鈍いそれが神経に響く。
走れない事はないが、もし今飛びつかれたら確実に逃げられない。
少しずつ、少しずつコソコソ相談する4人から後ずさるが、それも時間の問題だ。
長い昼休み。
それを時間いっぱい逃げるだけの体力はあるが、如何せん足が動かないのだ。
追いつめられた私の脳内で、唯一の打開策が思い浮かんだ。
そうだピストル!!
「捕まえるなら今がチャンスね」
「そうね、相手は怪我をしているし4人ならなんとか…」
向こう方も相談が終わったらしく、会話が止まった。
4人は顔を上げ、獲物を狙うような鋭い目がこちらを刺す様に並んでいる。
私はすかさずピストルを構え、ハルの言葉を忠実に彼女達の斜め上に銃口を向け思い切り引き金を引いた。
乾いた音が廊下に響き渡り、手元に持ったそれと音に、4人は身を竦める。
しかし銃口から飛び出したのは小さな紙くずで、ゆっくり狐を描いて彼女達の頭の上を通り過ぎると背後に回りそのまま廊下に音も無く落下した。


