「そいやぁ、俺な、自分に謝らなあかん事があんねん」
「なに?」
「キスして、ごめんな」
今更…!!!
滅茶苦茶今更!
つか、謝るなら何故キスした!
「実はな、頼まれたんや」
頼まれた?
思わず眉間にシワが寄る。
私は思わず力がこもる拳を振り上げず、殴りたい衝動を抑えて、彼を睨み付けた。
「ほんまは言うとかんとこー思たんやけどな。なんか、俺、自分の事結構好いとうやんか?」
「知らねーよ」
「好いとう」
「で、話の続きは」
「…相手にしぃや。まぁえぇわ。葵がな、言ってきよってん」
「は?」
静まり返った廊下に、私の声が響いた。
遠くに居た要冬真と、海ちゃんがこちらを振り返ったのが分かる。
葵…、て。
「葵って誰?」
「あれ?知り合いじゃないん?H組の桐蒲葵【キリカマ-アオイ】。本人幼なじみや言うとったんやけど…」
第六章
俺様生徒会長
VS
ドS番長