「‥‥私の、メールアドレスですか?」

コクリ。

「携帯の、ですよね」

コクリ。

さっきより顔を赤くした、及川脩が頷く。



うーん、面倒くさい‥
お腹へったし‥



「ごめんなさい。

携帯持ってないんです。」

「えっ‥」

本当は服に合わせて使い分けているから7台は持っているけども。


「じゃぁ、拾ってくれてありがとうございました」





蕾は固まったままの少年を置いて、晩ご飯を食べるために足早に駅を離れた。