そういう時に限ってかなはすぐ電話に出た。 「もしもし?恵?」 「うん。かな?」 「今日楽しかったね!あの店カップルばかりで参ったよね。」 かなは上機嫌だった。 あたしはこういう話は勢いのあるうちにと思い、 「あのね、かな、あたし…。」 「何?」 「あたし知哉が好きなの。ほんとうはずっと前から。黙っててごめん。」 「えっ?どういうこと?」 かなの声色が変わる。