冬うらら2


 まさか―― ハルコに何か言われたのだろうか。

 それとも、結婚式の話などで疲れてしまったのか。

 はたまた、体調でも悪いのでは。

 この時ばかりは、カイトの頭の中には、山ほどの懸念事項が巡る。

 だから、ダイニングの方へ行ってしまおうとした腕を捕まえる。

「……?」

 最初は、無言で首を微かに傾けて見せた。

 いまの彼女の様子に、疑問を覚えているということをアピールしたかったのだが、向こうの方が戸惑っている。

 なぜ、引き留められたか理解出来ていないのだ。

「どうした?」

 だから、しばらくの沈黙の後で、ようやくそう口に出した。

 嘘がつけない顔というものがある。

 カイトも、余り人のことは言えないのだろうが、今の彼女はモロにそれだった。

 あう、と言葉に詰まったような顔になった後、「ダイニングで待っていて」と言い残すや、二階に上がってしまったのだ。

 カイトは、ヤキモキしていた。

 何かあったのだということは、これで確実なのだが―― その答えは、まだ出ていないのである。

 そんな中途半端な状態で、ただ待つというのは、拷問に近いところがあった。

 ダイニングまで行けずに、廊下のところでウロウロしてしまう。

 我慢が限界に近づいて、階段の方に近づいた時、上の方から降りてくる足音が聞こえて、慌ててダイニングに飛び込んだ。

 そこは、廊下なんかとは違って暖かく彼を迎え入れたけれども、それよりもこれから彼女が入って来て、何を言い出すのかが気になった。

 ドアが開いて、彼は自分が緊張しまくっていることに気づく。それを振り払うより先に、メイが入ってきた。

「ご、ごめんなさい……」

 一言目は。

 それだった。

 メイの手には、平たい箱が抱えられている。

 彼女は、カイトに近づくと身体で箱の一部を支えるようにして、ふたを外して見せたのだ。