「あの2人は、今頃どうしているかしら」

 柔らかい朝日の中、妻がそう言う。

 朝食の席でのことだ。

「まだ疲れて寝ているだろう。昨日は、とんでもない一日だったからな」

 そのとんでもなさは、どれを思い出してもソウマを喜ばせた。

「そうねぇ…明日の旅行の出発までには、疲れが取れているといいのだけど」

 何か想像してしまったのだろうか―― しばらく、妻はクスクス笑いを止められずにいた。


 気持ちは、痛いほど分かった。