☆
そのゲームは、いまだ鋼南の最強の名作だと、謳われているらしい。
カイトが、寝食忘れて力を注いだ作品だ。
現実の人間ではないというのに、ソウマはマリアというキャラクターを、今でも忘れられなかった。
今度、その第二弾が発売されるとかいう話は、すでに耳には入っている。
彼女は、どうなったのだろう。
本物の憎悪の渦の中で、主人公は選択をすることが出来る。
何度も何度も、彼女を失うかどうか選択が出来るのだ。
そして、ただの一度でも『はい』を選択すると、永遠にマリアを失う。
彼女を失うまいとすればするほど、前よりもなお一層、重い憎悪がのしかかってくるのだ。
更に、道のりは困難を極め続ける。
ソウマは、途中でマリアを失ってしまった。
ゲームをやり慣れない彼は、そんなシステムになっているとは、思ってもみなかったのだ。
ただ、彼女のいない人生が始まり、憎悪にまみれたイヤなシーンが半減する。
しかし、道のりの平坦さを感じた瞬間に、失った彼女を常に思い出させられる―― そんな、罪作りなゲームだった。
「新しいゲームを始める時、我々オタクときたら、たくさんのゲームをやりこんでいる自負のおかげで、何もかも自分の予想の範囲内におさまるものだと、タカをくくっていて…」
氷は、鳴らなかった。
カイトの作ったゲームを、思い出しているかのように、チーフは動きを止める。
「でも、コウノのゲームは、そんなナメた真似を絶対に許してくれないんですよ。いつもいつもギリギリを要求してきて、我々さえも振り回し、『ああ、もういいや』と思った瞬間に、取り返しのつかないほど多くのものを失わせるんです。コウノのゲームは、苦しければ苦しいほど、絶対にあきらめてはいけないゲームなんです」
BADIAだって、ギリギリまで子供に耐えうるレベルに落としたんですよ。
ソウマが、そのゲームをしたことがあるとは知らないだろうが、そんなことはどうでもいいらしい。
チーフの付け足した言葉に、なるほどと思った。
きっともっと、カイトの出した要求は、高く厳しいものだったのだろう。
そのゲームは、いまだ鋼南の最強の名作だと、謳われているらしい。
カイトが、寝食忘れて力を注いだ作品だ。
現実の人間ではないというのに、ソウマはマリアというキャラクターを、今でも忘れられなかった。
今度、その第二弾が発売されるとかいう話は、すでに耳には入っている。
彼女は、どうなったのだろう。
本物の憎悪の渦の中で、主人公は選択をすることが出来る。
何度も何度も、彼女を失うかどうか選択が出来るのだ。
そして、ただの一度でも『はい』を選択すると、永遠にマリアを失う。
彼女を失うまいとすればするほど、前よりもなお一層、重い憎悪がのしかかってくるのだ。
更に、道のりは困難を極め続ける。
ソウマは、途中でマリアを失ってしまった。
ゲームをやり慣れない彼は、そんなシステムになっているとは、思ってもみなかったのだ。
ただ、彼女のいない人生が始まり、憎悪にまみれたイヤなシーンが半減する。
しかし、道のりの平坦さを感じた瞬間に、失った彼女を常に思い出させられる―― そんな、罪作りなゲームだった。
「新しいゲームを始める時、我々オタクときたら、たくさんのゲームをやりこんでいる自負のおかげで、何もかも自分の予想の範囲内におさまるものだと、タカをくくっていて…」
氷は、鳴らなかった。
カイトの作ったゲームを、思い出しているかのように、チーフは動きを止める。
「でも、コウノのゲームは、そんなナメた真似を絶対に許してくれないんですよ。いつもいつもギリギリを要求してきて、我々さえも振り回し、『ああ、もういいや』と思った瞬間に、取り返しのつかないほど多くのものを失わせるんです。コウノのゲームは、苦しければ苦しいほど、絶対にあきらめてはいけないゲームなんです」
BADIAだって、ギリギリまで子供に耐えうるレベルに落としたんですよ。
ソウマが、そのゲームをしたことがあるとは知らないだろうが、そんなことはどうでもいいらしい。
チーフの付け足した言葉に、なるほどと思った。
きっともっと、カイトの出した要求は、高く厳しいものだったのだろう。


