○
スッピンであっても、違う顔に見える。
リエだって、自分に自信はあった。
しかし、その気持ちを外側に向けて、強く放出することは出来ないのだ。
彼女の理性が、それをとどめる。
ハナと自分を比較しても、『勝った』と思った直後、『かなわない』という感情に襲われるだけなのだ―― 慌てて、比較についてやめなければならなくなった。
そんな彼女が、目を落としたフライドポテトの皿に。
「……?」
正確には、皿の下に。
リエの側にだけ見えるように、メモが挟んであったのだ。
じっと見れば、それにはケイタイ番号が書いてあるのが分かる。
どうやら、あのウェイターの仕業らしい。
まあ。
しかし、彼女はウェイターの方を見たりしなかった。
ここで、この紙に気づいたことを、知らせる必要はなかったのだ。
こんなものは、無視するに限る。
行きずりのウェイターになびくような、軽い女ではないのだ。
わざと視線を避けて、彼女はポテトに手を伸ばす。
銀紙の中では、真っ赤なケチャップの沼がポテトを待っていた。
スッピンであっても、違う顔に見える。
リエだって、自分に自信はあった。
しかし、その気持ちを外側に向けて、強く放出することは出来ないのだ。
彼女の理性が、それをとどめる。
ハナと自分を比較しても、『勝った』と思った直後、『かなわない』という感情に襲われるだけなのだ―― 慌てて、比較についてやめなければならなくなった。
そんな彼女が、目を落としたフライドポテトの皿に。
「……?」
正確には、皿の下に。
リエの側にだけ見えるように、メモが挟んであったのだ。
じっと見れば、それにはケイタイ番号が書いてあるのが分かる。
どうやら、あのウェイターの仕業らしい。
まあ。
しかし、彼女はウェイターの方を見たりしなかった。
ここで、この紙に気づいたことを、知らせる必要はなかったのだ。
こんなものは、無視するに限る。
行きずりのウェイターになびくような、軽い女ではないのだ。
わざと視線を避けて、彼女はポテトに手を伸ばす。
銀紙の中では、真っ赤なケチャップの沼がポテトを待っていた。


