冬うらら2

○フライドポテト

 何だか。

 リエは、自分の目の前をじっと見た。

 さっきから何かというと、料理が彼女の前に運ばれてくるのだ。

 今度は、フライドポテトである。

 そして、いつも決まったウェイターだった。

 いちいち、視線を投げてくる気配があるが、もうリエはそっちを見たりしなかった。

 ウェイターに、どういう意図があるか気づき始めた今、わざわざ彼の方を見るなんて、まるで気があるみたいではないか。

 リエは。

 自分が、美人なのは知っていた。

 というか、これだけ磨くのに力を入れているのだから、美人を維持できても当然だと思っている。

 エステに通って、フィットネスもやって。

 芸能人も行くような美容院で、髪もセットしてもらう。

 美人であり続ける努力を、決して彼女は怠ったりしなかったのだ。

 あのハナとは、違うのである。

 いま引き合いに出せそうな相手が、彼女しかいないからと言って、リエは自分がイヤな比較をしたのに気づいた。

 決して、ハナの顔がみっともないということではない。

 今日は綺麗に化粧をしている―― 既に、はげかけているようだが。

 ただ。

 ハナの名を出しながらも、どこか自分と、自分のボスを比較しているような気がしたのだ。

 彼らには、見ているだけで力を感じる。

 強引で、何が根拠か分からないパワーが、リエから見てもはっきりと分かるのだ。

 付き合っている男が持っているパワーは、何が根拠か分からないが、あの2人のものとは、またちょっと異質だった。

 自信に満ちた力。

 オレ(私)はやれる。

 そんな匂い。

 まるで、そのオーラこそが、自分たちの化粧であるかと思っているかのようだった。