冬うらら2


「じゃあ、ごゆっくりね」

 それを見届けて、先にハルコが元の席に戻る。

 ついで、ソウマも戻ろうとした時。

「あれぇ? もしかして……あれって元秘書様?」

 今まで、静かにしていた渦中のお嬢さんの目が、キラーンと光った。

 ギクッ。

 ソウマは、イヤな予感がよぎる。

 さっき自分の席で、鋼南の社員から追求された事が頭をよぎる。

 何とかうまくかわしながら、逃げ出してきたばかりだったのだ。

「そやでー! いまは、あっちのちょっとキツめのねーちゃんの方に、なってはるみたいやけど」

 そんな彼女の質問に、無邪気に答えるタロウ氏。

「え? ということは?」

 くるり。

 深海のような色の目が、しっかりとソウマに注がれた。

 にまぁっ。

 大変魅力的な笑顔が、その顔に浮かびあがる。

 ギクギクッッ。

 ヤブをつついたら、濃紺の目のヘビが出てきた。