♪
「最初から、とっととそうしてればいいのよ」
満足な結果に、ハナがうんうんと頷く。
「バカ野郎! 何かトラブルが起きたらどうするんだ!」
先輩が近くで怒鳴っているが、彼女の耳には入らなかった。
いや、入ったからこそ反撃できたのか。
「うっさいわね! この程度のことでガタガタ言うような小物なら、コーナンの協力会社なんてやってけるワケないでしょ! うちのボスは、コウノなのよ…もっと理不尽に決まってんじゃない!」
威勢よく、ハナはタンカを切った。
ワンコのことくらい、彼女は知っている。
コーナンのパッケージで、ソフトを売り出しているのだ。
知らないハズがない。
どういう力関係かも、黙っていても耳には入ってくるのだ。
「お、おい…ハナ」
「ワンコが怖くて、ペディグリーチャムが買えるかぁ!」
怒鳴ったハナの真横から。
腕がにゅっと伸びた。
その手の先には、忌々しいワインが。
しかも、封が切れていた。
「空いたで…」
ぞくっ。
背筋に、何かが走るほどの―― いい声だった。
それに、驚いてばっと振り返る。
そういえば。
さっきから黙ってつったっていたので、声を聞いたのはこれが初めて。
「ついでにチーズも、もろてきたで」
ワインには、チーズやろ?
右手にはワイン。
左手にはチーズの皿。
でも。
ワンコの社長の目は、ハナに注がれていた。
「最初から、とっととそうしてればいいのよ」
満足な結果に、ハナがうんうんと頷く。
「バカ野郎! 何かトラブルが起きたらどうするんだ!」
先輩が近くで怒鳴っているが、彼女の耳には入らなかった。
いや、入ったからこそ反撃できたのか。
「うっさいわね! この程度のことでガタガタ言うような小物なら、コーナンの協力会社なんてやってけるワケないでしょ! うちのボスは、コウノなのよ…もっと理不尽に決まってんじゃない!」
威勢よく、ハナはタンカを切った。
ワンコのことくらい、彼女は知っている。
コーナンのパッケージで、ソフトを売り出しているのだ。
知らないハズがない。
どういう力関係かも、黙っていても耳には入ってくるのだ。
「お、おい…ハナ」
「ワンコが怖くて、ペディグリーチャムが買えるかぁ!」
怒鳴ったハナの真横から。
腕がにゅっと伸びた。
その手の先には、忌々しいワインが。
しかも、封が切れていた。
「空いたで…」
ぞくっ。
背筋に、何かが走るほどの―― いい声だった。
それに、驚いてばっと振り返る。
そういえば。
さっきから黙ってつったっていたので、声を聞いたのはこれが初めて。
「ついでにチーズも、もろてきたで」
ワインには、チーズやろ?
右手にはワイン。
左手にはチーズの皿。
でも。
ワンコの社長の目は、ハナに注がれていた。


