冬うらら2


「私が、ちょっとシュウを焚き付けたから…彼には悪いことをしたわねぇ」

 カイト君たちに、協力してあげたつもりだったんだけど。

 美しい妻は、悩ましげにため息をつく。

 彼女が指輪をして、妊婦であってよかったと思う一瞬でもあった。

 その事実に気づくと、まず99%の男が特定の対象からハルコを外すのだ。

 これまで、ソウマがいろいろ苦労して築き上げた上に、その素晴らしい事実が成り立っているのである。

 当然の結果だった。

 少し満足感を覚えたソウマは、トイレから彼が出てきたら、どうにか助け船を出してやろうと思っていた。

 のに。

「ところで、そろそろ聞かせてもらえません? あの伝説の『秘書誘拐事件』の真相を!」

 二次会が始まって、しばらくして。

 見知らぬ相手と打ち解けかけるやいなや、の出来事だった。

 うっ。

 ソウマは、何とか苦笑いを浮かべた。

 これは、人の心配をしているどころではないようだ。