冬うらら2


 だから―― 自分の運命を、このお節介連中にたたきつけたのだ。

 こんな我慢は、普通なら絶対にしたくない。

 死んでもイヤだった。

 しかし、自分が死ぬよりも、彼女が遠慮する方が、もっとイヤだったのである。

 クソッッ。

 いろんな結果は、その一言に凝縮される。

 前の席で、許可が出たことに喜んでいる夫婦にもハラが立つが、横から心配そうな視線が向けられるのもハラが立つ。

 大体、メイは、自分で言えばよかったのだ。

 ウェディングドレスが着たいと。

 そうすれば、カイトはすぐに連れ出して、とにかくドレスを買って、そのまま教会でもどこでも連れ込んで、式の3つくらい挙げたのだ。

 そうすれば、ソウマたちにバレることもなく、二人きりの思い出で終わったのである。

 けれども。

 それじゃあ、カイト流の押しつけ結婚式になる。

 メイには、彼女の希望がきっとあるに違いない。

 それを多分、一番正確に選んでやれるのが―― ムカつくことだけれども、あの夫婦であることは間違いなかった。

 オレが。

 そう思っていても、式一つ思いつかない唐変木なのだ、自分は。

 他に残っているものがないかとか考えたけれども、カイトは何も思いつけなかった。

 結婚式という、スーパースペシャルデラックスな津波をかぶってしまったのだ、ほかの小波のことに気づくはずがない。

 しかし、いま気づいたこともある。

 いつまでも、ソウマ夫妻がここにいる必要性はないということが。

 式でも何でも許可を出したのである。

 後は、家で二人ででも勝手にやってくれ、というところで。

 カイトは、彼らを追い出そうとした。