冬うらら2


 何というかもう。

 本当に。

 メイという女性に。

 ゾッコンなのだ。

 片時も、側から離したくないように。

 そんなのは、この部屋に入った瞬間から、本当は分かっていた。

 いままで、その机の上にはノートパソコンが一つ置いてある程度だったのに、いまの状況を見てみろ。

 まるで、会社の自分のデスクをそのまま持ち帰ったような騒ぎになっているではないか。

 本当は、休日出勤をしなければいけない立場なのだろう。

 それを、自宅作業にするためだけに、これだけの機材を持ち帰ってきたに違いないなかった。

 自宅作業したい理由など。

 考える間もなかった。

 ソウマは、メイを見た。

 カイトとソウマの間の緊迫した空気にオロオロしている彼女こそが―― この世の中で、ただ一人、カイトに魔法をかけることが出来る存在なのである。

 ソウマたちなど、ただの奇術師だ。

 カイトの思いも寄らない方向からハトを出して驚かせているうちに、自分たちのペースにハメる程度なのだが、メイは根本的に違った。

 彼女が望めば。

 本当に、カイトは世界征服だってしそうだったのだ。

 ある意味、メイが普通の子でよかった、というところだった。

 悪女だったら、本当にとんでもないことになっていただろう。

 まあ、カイトが悪女にひっかかるとも思えなかったが。