冬うらら2


 ふふふ。

 これから、夫婦としていろんなイベントがあるだろう。

 誕生日に結婚記念日に。

 今回のバレンタインでも、きっとカイトは驚いたに違いないのだから、そういうイベントごとに、彼が驚いたり戸惑ったり、でも一生懸命頑張ったりするかと思うと。

 毎日だって、遊びに行きたいハルコだった。

 新婚旅行にも、本当はついて行きたいくらいである。

 しかし、ハルコはそんなヤボな真似はする気はなかった。

 カイトなりに、式や披露宴を頑張っているし、仕事の納期も開けてようやく休めるだろうし。

 ハルコ自身も、妊婦だったので―― そういう気持ちは、脇に置いたのに。

 最後まで、ついて行きたそうにしていた男がいた。

 口では、そんな気はないと言いつつも、どうもアンテナがそっちに行ってしまっていたようで、彼女が思い切りつねって、ようやくあきらめさせたのだ。


 いま、隣の席に座っている男と、大変よく似ていた。