☆9
「そう言えば…あの二人、結婚式はどうする気なんだ?」
夕食の時に、ソウマは素朴な疑問をぽろっと口に出した。
本当に何気なく、ぱっと思い浮かんだものだったのだが、それを言い終わった瞬間、向かいのハルコの瞳がきらっと輝いたのが分かった。
別に、『誰の結婚式』と言ったワケでもないのだ。
なのに、いま二人の夕食のおかずになる人間の中で、『結婚式』などという一生に数少ないセレモニーを必要としているのは、たった一組だけだったのだ。
「そうね…式は挙げないといけないわよねぇ……でも、きっと本人たちは忘れていると思わない?」
彼女も、『誰』かということは言わないまま、押さえきれない笑顔をこぼしながら、話を先に進めようとする。
本当に彼らの話になると、途端にハルコは幸せそうになるのだ。
そういう顔が見たくて、ついつい自分からいつも話を振ってしまう。
そうすると、ハルコは本当に楽しそうに、話題に食いついてくるのだ。
「忘れてるだろうな…少なくとも、あいつの方は」
「そうよねぇ…たとえ、彼女の方が気づいていたとしても…自分から言いそうにはないし」
二人、一瞬だけ考え込むような素振りをした。
しかし、実際のところ二人とも何も考えていなかっただろう。
少なくとも、ソウマの方はそうだった。
最初から、これからどうしたらいいか分かっていたのだ。
お互いがお互いの目を盗み見るようにして―― 同時に、目だけで笑った。
「きっと、今週末はどんなに仕事が忙しくても、休日出勤はしていないと思うわ」
こう言ったのは、ハルコ。
「万が一休日出勤だとしても、土曜日だけだろう。日曜は間違いなくいるんじゃないか?」
返したのはソウマ。
こうして、彼らの週末の予定ははっきりしたのだった。
「そう言えば…あの二人、結婚式はどうする気なんだ?」
夕食の時に、ソウマは素朴な疑問をぽろっと口に出した。
本当に何気なく、ぱっと思い浮かんだものだったのだが、それを言い終わった瞬間、向かいのハルコの瞳がきらっと輝いたのが分かった。
別に、『誰の結婚式』と言ったワケでもないのだ。
なのに、いま二人の夕食のおかずになる人間の中で、『結婚式』などという一生に数少ないセレモニーを必要としているのは、たった一組だけだったのだ。
「そうね…式は挙げないといけないわよねぇ……でも、きっと本人たちは忘れていると思わない?」
彼女も、『誰』かということは言わないまま、押さえきれない笑顔をこぼしながら、話を先に進めようとする。
本当に彼らの話になると、途端にハルコは幸せそうになるのだ。
そういう顔が見たくて、ついつい自分からいつも話を振ってしまう。
そうすると、ハルコは本当に楽しそうに、話題に食いついてくるのだ。
「忘れてるだろうな…少なくとも、あいつの方は」
「そうよねぇ…たとえ、彼女の方が気づいていたとしても…自分から言いそうにはないし」
二人、一瞬だけ考え込むような素振りをした。
しかし、実際のところ二人とも何も考えていなかっただろう。
少なくとも、ソウマの方はそうだった。
最初から、これからどうしたらいいか分かっていたのだ。
お互いがお互いの目を盗み見るようにして―― 同時に、目だけで笑った。
「きっと、今週末はどんなに仕事が忙しくても、休日出勤はしていないと思うわ」
こう言ったのは、ハルコ。
「万が一休日出勤だとしても、土曜日だけだろう。日曜は間違いなくいるんじゃないか?」
返したのはソウマ。
こうして、彼らの週末の予定ははっきりしたのだった。


