冬うらら2


「結婚…しちゃうの?」

 じわっと、目に涙を浮かべてユウが繰り返す。

「うん、そう」

 こくりと、彼女は頷いて。

 ユウの頭を撫でてあげる。

「もう、ユウのお姉ちゃんじゃないの?」

 置いていかれるような目で見られて、メイは困った。

 やっぱり、まだいろんな好きや大事の意味を、この子は理解していなかったのだ。

「ううん、ずっとユウちゃんのお姉ちゃんよ」

 ぎゅっと、パジャマの身体を抱きしめてあげる。

 母性本能というものを、ユウにはずっと覚えてきた。

 そういう気持ちで、ぎゅっと。

「ホントに?」

 肩越しに心配そうな声。

「ホントよ」

 ぽんぽんと、背中を叩く。

「結婚式には来てね。ユウちゃんも…お姉ちゃんをお祝いしてくれると、すごく嬉しいな」

 そっと、離して顔をのぞき込む。

 うん、と小さく頷いてくれて、胸があったかくなる。

 リンの方を見上げると、『お見事』という風に目を細めてくれた。

「ほら、お前はもう寝ろ…カゼをうつすぞ」

 ついに、貫禄のあるマサの大きな手が伸びてきて、ユウの身体を奥の方に引きずり戻してしまった。

 おねーちゃーん、と最後まで手足をバタバタさせていたが、ついにその声も遠くなってしまう。

 う。

 こうなると、居心地が悪いのはメイだ。

 これから振り返らなければならない。

 そこには、カイトがいる。

 さっきまで、ユウを相手にいろんなことを言ったのだが、それを全部聞いた人が後ろにいるのだ。

 どんな顔をして振り返ればいいのか。