冬うらら2


「あのおじちゃん…誰?」

 ぎゅっと、メイのスカートを握って、ユウはカイトの方を見る。

 人見知りが激しいので、新しい人が来るといつもこうだ。

「……!」

 また、カイトがショックを受けたように目を見開いた。

 メイと同じ年で『おじちゃん』と言われたら、確かにショックだろう。

 う。

 しかし、彼女はそれどころじゃない。

 リンは勘がいいので、すぐに彼との関係を気づいてくれたが、ユウは子供なのだから、分かりやすい言葉で教えてあげないといけないだろう。

 どういう単語なら、すぐ分かってくれるのだろうか。

『恋人』とか『旦那さま』とか―― ああ、恥ずかしい!

 メイは、心の中で身をよじらせた。

 正しい言葉なのに、どうしてこんなに気恥ずかしいのだろうか。

 こうやって、2人で知っている人の前に立つことなんか、今までほとんどなかったせいだ。

 事情を知っているハルコとかソウマには、今更そんな言葉を使わなくてよかったのだから。

 ああ…うぅ。

 心の中で、汗をいっぱいかいた後、ユウの方を向く。

「あのね、ユウちゃん…あの人は…お姉ちゃんの、すごく…大切な人よ」

 ああ、カイト聞かないで!!!

 恥ずかしい。

 メイは、背中の視線を振り払うようにしながら、決死の覚悟でそう言った。

 そこにカイトがいなければ、彼が聞いていないと分かっていれば、もう少し楽に言えたに違いない。

 しかし、この距離では絶対に聞かれてしまう。

 本当のことだし、何の間違いもない。

 でも、どうしてこうも恥ずかしいのか。