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ガチャガチャと、ベッドがバラバラになっていく音がする。
気がつくと、彼の方をちらちら見ている自分がいた。
多分、きっと音のせいだった。
金属質の音は、骨を震わせるので、ついそっちを見てしまうのだろう。
そして、ついに彼の長い指が、瞬く間にベッドを、ただの金属のカタマリにしてしまった。
無言のまま、カイトはその金属を運び出す。
きっと車に積みに行くつもりなのだ。
その背中を、またぽけっと眺めてしまった。
いけない、いけない。
カイトが、あんなに働いてくれているのに、自分一人トロトロしているワケにはいかなかった。
早く片づけて、彼を休ませてあげないといけないのだ。
パタパタとあちこちを駆けずり回っていたメイは、その時は、まだ気づかなかった。
カイトが、車から戻ってきたのまでは分かっていた。しかし、彼は台所の流しのところに立っていたのだ。
そして、水を出している。
どこかで手でも汚してしまったのだろうか。
水音で気づいたメイは、いま詰めかけた綺麗なタオルをひっぱり出して、彼に持っていこうとした。
その次の瞬間。
カイトの濡れた手が、ひょいと何かを掴んだのだ。
流しのすぐ横の、食器を入れておいたプラスティックのケースの中から。
何気ない動き。
喉でも乾いたのかな、とメイが思うくらいの、自然な動きだった。
が。
そのカイトの動きが、いきなりビクッと驚いて固まる。
え?
メイも、つられて固まった。
固まったが、視線は彼の手元から離さなかった。
その手には。
手には。
きゃー!!!!!!
み、見られちゃったー!!!!!
うっかり。
メイは、本当にうっかり、その存在のことを忘れてしまっていたのだった。
ガチャガチャと、ベッドがバラバラになっていく音がする。
気がつくと、彼の方をちらちら見ている自分がいた。
多分、きっと音のせいだった。
金属質の音は、骨を震わせるので、ついそっちを見てしまうのだろう。
そして、ついに彼の長い指が、瞬く間にベッドを、ただの金属のカタマリにしてしまった。
無言のまま、カイトはその金属を運び出す。
きっと車に積みに行くつもりなのだ。
その背中を、またぽけっと眺めてしまった。
いけない、いけない。
カイトが、あんなに働いてくれているのに、自分一人トロトロしているワケにはいかなかった。
早く片づけて、彼を休ませてあげないといけないのだ。
パタパタとあちこちを駆けずり回っていたメイは、その時は、まだ気づかなかった。
カイトが、車から戻ってきたのまでは分かっていた。しかし、彼は台所の流しのところに立っていたのだ。
そして、水を出している。
どこかで手でも汚してしまったのだろうか。
水音で気づいたメイは、いま詰めかけた綺麗なタオルをひっぱり出して、彼に持っていこうとした。
その次の瞬間。
カイトの濡れた手が、ひょいと何かを掴んだのだ。
流しのすぐ横の、食器を入れておいたプラスティックのケースの中から。
何気ない動き。
喉でも乾いたのかな、とメイが思うくらいの、自然な動きだった。
が。
そのカイトの動きが、いきなりビクッと驚いて固まる。
え?
メイも、つられて固まった。
固まったが、視線は彼の手元から離さなかった。
その手には。
手には。
きゃー!!!!!!
み、見られちゃったー!!!!!
うっかり。
メイは、本当にうっかり、その存在のことを忘れてしまっていたのだった。


