冬うらら2

●41
 そっくりー!!!!!

 居間のソファなどに案内されたメイは、緊張でガチガチになってはいたが、カイトの母親を見つめずにはいられなかった。

 一体、どんな両親なのだろうかと、薄ぼんやりと思い浮かべたりはしたものの、まったく予測がつかなかった。

 カイトが、一般常識に沿わない人間であることは、何となく理解していたつもりだったので、両親も―― その考えは、外れてしまったようだ。

 慌てて新聞をたたんだお父さんは、普通の優しそうな人だった。

 見た目は、カイトとは全然違う。

 眼鏡をかけているその地味で穏やかな姿は、どちらかというと事務的な仕事をしていそうな人に思えた。

 その代わり。

 どこをどう見ても母親の方は、カイトと同じ血を感じさせたのだ。

 活動的な母親だということは、話をしなくても分かった。

 あえてそうしたのかもしれないが、彼女はジーンズ姿で。

 さっきから、お茶だお茶菓子だと、忙しく台所と居間をいったりきたりしているのだ。

 棚には、どこかに旅行に行った写真なんかが飾ってある。

 夫婦で写っているものもあれば、彼女が女友達と旅行に行ったような写真もあった。

 父親が一人で、魚をぶら下げて写っているようなのも見える。

 写真。

 記憶と経験と年月と。

 とにかく、時間を感じさせるアイテムだ。

 写真、欲しいな。

 ちらりと、カイトの方を見る。

 彼の写真というものを、メイは一枚も持っていなかった。

 結婚してから、1枚だって撮ったこともない。

 カメラがなければ撮れないものだし、映す人がいなければ、やっぱり撮れないものなのだ。

 けれども、そう急ぐことはないと自分に言い聞かせる。

 これからの年月の間で、写真を撮る機会など、きっといつだって見つけられると思ったのだ。

 それくらい長い時間が、目の前に遠く遠く、広がっているのだと信じたかった。