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カイトが、あのベッドを分解している。
彼と、初めて――
「ん?」
視線に気づいたのか、ふっと顔が上がる。
そして、メイの方を向いた。
「あっ! さ、寒くない? ストーブつけるね」
見とれていたことに気づかれるのが恥ずかしくて、彼女は慌てて取り繕うために動いた。
ちっちゃなストーブには、灯油を入れっぱなしだった。
だから、まだつくはずだ。
予想通り、ストーブをつけることに成功して、メイはぱっと振り返った。
カイトはドライバーを持ったまま、まだ彼女の方を見ていて、胸をドキドキさせる。
「あ、あの…そのベッド、どうしよう…」
バラして運ぶのはいい。
でも、最終的にベッドはどうしたらいいのか分からなかった。
あの家に、パイプベッドは必要ないのだ。
部屋には一緒に眠れる大きなベッドがある。
客間にもそれぞれちゃんとベッドがあるのだから、本当にそれは不要なのだ。
帰りに、リサイクルセンターに置いてきた方がいいのだろうか。
でもでも。
2人が初めてそういうことになったベッドを、他の誰かが買って眠る―― とか考えると、やっぱり何となくイヤだった。
「空き部屋にでも入れておく」
カイトの視線が、ベッドに向く。
最初からそう考えていたような、よどみない口調だ。
そっか。
メイは思った。
そのベッドに、カイトは大きな関心がないようだ。
他の荷物と、同じような扱いのようである。
でも、いいのだ。
メイは、再び段ボールの中に、持ち帰るものを詰め始めた。
捨てる、と言われなかっただけよかったのだ。
少なくとも、あのベッドは人手に渡ることなく、家のどこかに存在し続けるのだから。
カイトが、あのベッドを分解している。
彼と、初めて――
「ん?」
視線に気づいたのか、ふっと顔が上がる。
そして、メイの方を向いた。
「あっ! さ、寒くない? ストーブつけるね」
見とれていたことに気づかれるのが恥ずかしくて、彼女は慌てて取り繕うために動いた。
ちっちゃなストーブには、灯油を入れっぱなしだった。
だから、まだつくはずだ。
予想通り、ストーブをつけることに成功して、メイはぱっと振り返った。
カイトはドライバーを持ったまま、まだ彼女の方を見ていて、胸をドキドキさせる。
「あ、あの…そのベッド、どうしよう…」
バラして運ぶのはいい。
でも、最終的にベッドはどうしたらいいのか分からなかった。
あの家に、パイプベッドは必要ないのだ。
部屋には一緒に眠れる大きなベッドがある。
客間にもそれぞれちゃんとベッドがあるのだから、本当にそれは不要なのだ。
帰りに、リサイクルセンターに置いてきた方がいいのだろうか。
でもでも。
2人が初めてそういうことになったベッドを、他の誰かが買って眠る―― とか考えると、やっぱり何となくイヤだった。
「空き部屋にでも入れておく」
カイトの視線が、ベッドに向く。
最初からそう考えていたような、よどみない口調だ。
そっか。
メイは思った。
そのベッドに、カイトは大きな関心がないようだ。
他の荷物と、同じような扱いのようである。
でも、いいのだ。
メイは、再び段ボールの中に、持ち帰るものを詰め始めた。
捨てる、と言われなかっただけよかったのだ。
少なくとも、あのベッドは人手に渡ることなく、家のどこかに存在し続けるのだから。


