冬うらら2


 カイトが、あのベッドを分解している。

 彼と、初めて――

「ん?」

 視線に気づいたのか、ふっと顔が上がる。

 そして、メイの方を向いた。

「あっ! さ、寒くない? ストーブつけるね」

 見とれていたことに気づかれるのが恥ずかしくて、彼女は慌てて取り繕うために動いた。

 ちっちゃなストーブには、灯油を入れっぱなしだった。

 だから、まだつくはずだ。

 予想通り、ストーブをつけることに成功して、メイはぱっと振り返った。

 カイトはドライバーを持ったまま、まだ彼女の方を見ていて、胸をドキドキさせる。

「あ、あの…そのベッド、どうしよう…」

 バラして運ぶのはいい。

 でも、最終的にベッドはどうしたらいいのか分からなかった。

 あの家に、パイプベッドは必要ないのだ。

 部屋には一緒に眠れる大きなベッドがある。

 客間にもそれぞれちゃんとベッドがあるのだから、本当にそれは不要なのだ。

 帰りに、リサイクルセンターに置いてきた方がいいのだろうか。

 でもでも。

 2人が初めてそういうことになったベッドを、他の誰かが買って眠る―― とか考えると、やっぱり何となくイヤだった。

「空き部屋にでも入れておく」

 カイトの視線が、ベッドに向く。

 最初からそう考えていたような、よどみない口調だ。

 そっか。

 メイは思った。

 そのベッドに、カイトは大きな関心がないようだ。

 他の荷物と、同じような扱いのようである。

 でも、いいのだ。

 メイは、再び段ボールの中に、持ち帰るものを詰め始めた。

 捨てる、と言われなかっただけよかったのだ。

 少なくとも、あのベッドは人手に渡ることなく、家のどこかに存在し続けるのだから。