冬うらら2


 身体を見られたくないとか、女みたいなことは言わないが、彼女も目のやり場に困るだろうし。

 急いで洗ってしまう。

 後かたづけと言っても、たかがカップ二つだ。

 すぐに終わって、戻ってくる可能性が高かった。

「ふー…」

 そして、すばらしい速度で作業を終えると―― カイトは湯船につかったのである。

 これで、いつメイが入ってきてもOKだった。


   ※


 グツグツ。

 カイトは、茹でられていた。

 ダシを取るのが目的なら、そろそろそれは達成されたハズである。

 どうかしたのか?

 しかし、メイが入ってくる様子が、一向になかったのだ。

 意識の全部は、脱衣所の方に向けているというのに、ちっともドアが開く気配もない。

 このままでは、カイトはふやけてグニャグニャになってしまいそうだった。

 しょうがなく一度湯船から出ると、バスタブに腰掛ける。

 少しして、身体が冷えてくるとまた湯船に。

 熱くなって出る。

 また入る。

 また出る。

 もう一回入る。


 おせぇ!!


 彼女は、マグカップを2つ洗っているだけではなかったのか。

 もしかして、カイトの目がないのをいいことに、ほかの仕事もいろいろしているのでは。

 などなど、頭の中には様々な疑惑がよぎる。

 もしかして。

 何かあったか?

 こうやって、彼一人のうのうと風呂に入っている間に、彼女の身に何か起きたのでは。

 そう思った瞬間、カイトは風呂場もそのままで脱衣所に飛び出した。