冬うらら2


 残念、と思ってメイは立ち上がりかけた―― が、慌ててソファに座り直した。

 カイトは、いま『フロに、入るぞ』と言ったのである。

 自分一人が入るという宣言ではなく、きっといまの言葉には、もっと違う意味が含まれていたのだろう。

 だから、自分も無意識に腰を浮かしかけたのだ。

 そして、思い出したのである。

 一緒になんて入れない!!!!!!

 とんでもない話しだった。

 ただでさえ、彼と一緒にお風呂に入るなんて、慣れていないどころの話ではないのに。

 まだ、死ぬほど恥ずかしいのだ。

 ここ毎日、カイトとは夜の時間が噛み合わなくて、そんな恥ずかしい思いはしなくて済んでいたが、今日はお休みで。

 カイトは、この時間にすぐ側にいる。

 メイは、汗をいっぱいかきながら、彼に言うべき言葉を考え始めた。

「あ、あの! さ、先に入ってて! 私、片づけしてくる!」

 ガチャガチャ!!!!!

 慌てふためいて、トレイの上にマグカップを乗せると、彼女は部屋を逃げ出してしまったのだ。

 追いかけてこないでー!!!


 今日ばかりは、それを切に願った。