冬うらら2

●37
 結婚式って……大変。

 メイは、ソファでぐったりとしながらそう思った。

 夕食が終わったばかりの、静かなお茶の時間である。

 後は、お風呂に入って眠る、というカリキュラムを残すだけとなっていた。

 夕方には、ソウマとハルコは帰ったのだが、その間中、それはもう数え切れないほどの決定事項が、目の前に山積みにされたのである。

 残り3週間という日程のせいで、何もかもがギチギチに詰め込まれたのだ。

 様々な予定が、組み込まれる。

 平日も週末も関係ないくらいだ。

 カイトは納期前で忙しいので、最低限の必要な部分にだけ顔を出すという形になったが、こんなにも細かいことが山積みになるとは思わなかった。

 招待客の調整と招待状の発送、引き出物、衣装合わせやリハーサル日程。

 幸い、経験者であるハルコやソウマの助言のおかげで、かなり段取りは決まっていたので、まだ楽だった。

 みんなこんな大変な思いをして、結婚式を挙げているのだ。

 すごいなぁ、とため息をつく。

「どうかしたか?」

 向かいから、カイトは視線を投げてきたので、慌てて両手をパタパタと振った。

「ううん、結婚式って大変なんだなぁって…初めてだから、慣れなくて」

 自分が、随分おかしなことを言ってしまったのに気づく。

 わざわざ『初めてだから』などと、くっつけなくてもよかったのに。

 それに、結婚式の段取りに慣れているのは、そういう仕事にしている人くらいだ。

 もし、メイが慣れていたら、カイトはきっと不審に思うだろう。

「きついか?」

 心配そうな視線に、今度は頭を左右に振る。

 どうして、自分はこう心配させるようなことしか言えないのか。

 カイトと暮らしていると、楽しいことや幸せなことがいっぱいあるのに、それを全部彼に伝えきれていないような気がした。

 それに、カイトがせっかく苦手なことをすると言ってくれたのに、彼女の気分次第で『もう、やめたい』なんてとんでもないことだ。

 きっとこんな大変さも、彼と一緒ならいい思い出になるし。