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「あっ、あの…違うの…そうじゃないの」
腕の中で慌てる身体が、何かを伝えようとする。
しかし、不安に取り憑かれてしまったカイトは、腕を離したりしなかった。
「だ、だって………その…昨日…重かったでしょ?」
すごく恥ずかしそうに、彼女が小さく言った。
あぁ?
一体何を言っているのか。
重かったって。
あ!
そこで、ようやくカイトは配線がつながった。
昨日の夜、メイを抱き上げてベッドに運んだことを思い出したのだ。
いや、忘れていたワケではない。
ちゃんと分かっていたが、今それが改めて話題にされるとは思ってもみなかったのである。
そして、そんなことが理由で自分が避けられていたなんて。
つくづく女の考えには追いつけない。
「んなことで…」
あまりに驚いて手の力を緩めたら、彼女が赤い顔でぱっと見上げてきた。
「だ、だって…私、やせてるワケじゃないし…それに…馬鹿みたいに口開けて寝てなかった?」
穴があったら入りたい。
自分の寝姿なるものに、ちっとも自信がないようだった。
まあ、どんな風に自分が眠っているのかを、知っている人間は少ないだろうが。
しかし、カイトの意識は違う方向に掴まれていた。
『馬鹿みたいに口…』
その彼女の表現がおかしくて、カイトは笑いをこらえきれなくなってしまったのだ。
いきなり、衝動のようにわき上がってきたのを、止められないまま。
さっきまでの心配が全部吹き飛んで、いきなり安堵してしまった追い風もあったのだろう。
「え?」
その声で、『は! しまった!』と、カイトは自分の口をかぱっと押さえ笑いを止めた。
まるで、彼女の言うことを肯定してしまったかのようではないか。
誤解されて、落ち込まれでもしたらどうするのかと、カイトは何とか、それを防ぐための言葉を探そうとした。
が。
「あ…止めちゃわないで…もう一回…もう一回笑って」
彼女は、カイトのパジャマの裾を掴んで―― 既に、論点がズレてしまって。
ソウマとハルコは、あと10分待たされることになった。
「あっ、あの…違うの…そうじゃないの」
腕の中で慌てる身体が、何かを伝えようとする。
しかし、不安に取り憑かれてしまったカイトは、腕を離したりしなかった。
「だ、だって………その…昨日…重かったでしょ?」
すごく恥ずかしそうに、彼女が小さく言った。
あぁ?
一体何を言っているのか。
重かったって。
あ!
そこで、ようやくカイトは配線がつながった。
昨日の夜、メイを抱き上げてベッドに運んだことを思い出したのだ。
いや、忘れていたワケではない。
ちゃんと分かっていたが、今それが改めて話題にされるとは思ってもみなかったのである。
そして、そんなことが理由で自分が避けられていたなんて。
つくづく女の考えには追いつけない。
「んなことで…」
あまりに驚いて手の力を緩めたら、彼女が赤い顔でぱっと見上げてきた。
「だ、だって…私、やせてるワケじゃないし…それに…馬鹿みたいに口開けて寝てなかった?」
穴があったら入りたい。
自分の寝姿なるものに、ちっとも自信がないようだった。
まあ、どんな風に自分が眠っているのかを、知っている人間は少ないだろうが。
しかし、カイトの意識は違う方向に掴まれていた。
『馬鹿みたいに口…』
その彼女の表現がおかしくて、カイトは笑いをこらえきれなくなってしまったのだ。
いきなり、衝動のようにわき上がってきたのを、止められないまま。
さっきまでの心配が全部吹き飛んで、いきなり安堵してしまった追い風もあったのだろう。
「え?」
その声で、『は! しまった!』と、カイトは自分の口をかぱっと押さえ笑いを止めた。
まるで、彼女の言うことを肯定してしまったかのようではないか。
誤解されて、落ち込まれでもしたらどうするのかと、カイトは何とか、それを防ぐための言葉を探そうとした。
が。
「あ…止めちゃわないで…もう一回…もう一回笑って」
彼女は、カイトのパジャマの裾を掴んで―― 既に、論点がズレてしまって。
ソウマとハルコは、あと10分待たされることになった。


