冬うらら2


 カイトは、ズダダダー!!と砂煙を上げんばかりの勢いで、ベッドから飛び降りると洗面所に直行したのである。

 そして、鏡を見る。

 ん?

 てっきりソウマに、顔に落書きでもされているのではないかと思っていたのだが、取り越し苦労だった。

 鏡に映っているのは、単なる寝起きの顔以外の何者でもなかった。

 あとは、髪に寝癖がついているくらいである。

 じゃあ、何で?

 部屋に戻ると。

 既にソウマもソファに戻り、メイにお茶をふるまわれている。

 ムカつく。

 カイトは、その光景を素直に受け入れられなかった。

 しかし、いま気になるのは彼女の様子である。

 ほかの存在は、眼中に入れないようにしながら、カイトはじーっとメイを見た。

 視線に気づいたのか、ふっと顔をあげた彼女と、再び目が合う。

 茶色の瞳が、一瞬吸い込まれそうにこっちを見たが、またハッと我に返ったように、視線を逸らす。

 間違いない。

 カイトを避けているのだ。

 何でだー!!!!

 昨日の夜までは、普通だったではないか。

 風呂に入る前までの話だったが。

 しかし、風呂の後は、何のコミュニケーションも取っていない。

 彼女は、すっかり寝入ってしまっていたのだから。

「まったく、もう昼だぞ…まさか、オレたちが来た時に、まだ寝ているとは」

 お疲れのご様子で。

 ソウマがまだからかおうとするが、カイトはまっすぐ目標を彼女に据えて歩き出した。

 そして。

「ちょっと来い」

 メイの腕をがしっと掴み、引っ張った。