高校3年生の夏。


温暖化のせいか、去年の夏よりも暑い気がする。


太陽がやけに近く感じる。


「由香里〜最近どう?」


「どうって…何が?」


「何がって、由香里の彼氏のことに決まってるでしょ!」


「あぁ、そのこと…!もちろん順調だよ!」


「…そうじゃなくて…デート出来てる?」


友達の里美がここまで心配する理由はもちろん、お互いの立場が原因。


私は今、10歳年上の人と付き合っている。


その人の名前は浅賀亮。


駅での出会いから1年近くが経とうとしている。


浅賀さんは仕事が忙しく、デートらしいデートはあまりしたことがない。