───… 息を切らしながら、全力で駆け抜けた。 昔から走るのは得意だった。 だけど今は、思うように脚が動いてくれない。 気持ちだけが先走り、身体はそれに追いつけない。 本当はヒールなんて、今すぐにでも脱ぎ捨てたい。 高い靴なんていらない。 立派なドレスなんていらない。 欲しいのは、あなた。 ずいぶん遠回りをして行き着いた、あたしの答え。 何もいらない。 あなたさえいれば、あたしは満たされるから。 全てを失ってでも、譲れないものがある。 この想いだけは 誰にも…譲れない。