雲一つない青空。 ここまで本当に雲がないと、それがかえって不気味に感じるのは、物事を悲観的にしか考えられない証拠だろうか…。 「天館!行こうぜ!」 ぼんやりと空を眺めていたらクラスメートに呼ばれた。 彼等はあくまで「クラスメート」であり、友ではない。そんな関係である。しかし、そんな浅い付き合いが、今の彼――天館 愁(アマダテ シュウ)にとっては一番の距離感だった。 ある日を境に、彼は変わった。