2/3友達

私も慌ててカツヤの後ろに続いた。

「タイスケさん、遅くなってすみません。」

カツヤはいつものように明るく声をかけて、タイスケの真横に座った。

タイスケは問題集をぱたんと閉じて、カツヤの方に向き直った。

「おう。来たか。」

タイスケはニヤッと笑った。

そして、すぐ後ろにいる私を見た。

「仲良くご一緒にどうも。」

あ。

しまった。

結局、カツヤと二人で来たみたいになっちゃってるじゃん!

タイスケは、無表情のまま私から視線を外した。


「で、何?お前も俺と一緒に勉強したいわけ?」

タイスケは唐突に切り出した。

あまりにもまっすぐに突然切り出されたカツヤは一瞬たじろいだ。

「え、あ。ナツミさんから聞いて下さった通りです・・・。」

そこは、カツヤ、すぐに体勢を立て直す。

「三人で勉強するってねぇ。」

しばらく天井を見上げて、タイスケは大きく伸びをした。

「だけどさ。カツヤは受験まで2年あんだろ。こんな早くから始めたら、集中力続かねぇぞ。」

カツヤはだまったままタイスケを見つめた。

タイスケもじっとカツヤの次の言葉を待っているようだった。

「俺は、ナツミさんと一緒にいたいだけです。」

カツヤは静かに言った。

うわっ。

これまた恥ずかしいセリフがすらすらと言ってくれちゃうのねぇ。

私は聞いてられなくてうつむいた。

タイスケがその言葉を待ってましたとばかり、ニンマリ笑った。

そして、私の方を向いて言った。

「だってよ、ナツミ。どうすんの?お前勉強すんのか、カツヤと一緒の時間を過ごしてやるのか。」

わ、私にふる~?!

勉強したいのか。

カツヤと一緒にいたいのか。

そりゃ、もちろん、今は勉強したい。