撮影が始まって“舞ちゃん”だと一言呟いたあと始終無言で見守っていて、無事に終わって、自分の事のように喜んだのは言うまでもない。

小さくガッツポーズをしていると声をかけられた。

「来てたのか…?」

「…はい」

「舞に手をのばしたいのなら、覚悟が必要だぞ?次に何かあれば…」

「分かってます…」

何かを決意したような眼差しに社長はふっと笑ってスタジオを後にした。



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