ナルシストの隣

目の前の大きな鏡は、不安げな私を容赦なく映していて自分自身に喝をいれる。

それから、相変わらずくすぐったいパフが顔の上を踊る。

久しぶりの化粧品独特の匂いに包まれたら、一気に“舞”が出来上がった。

壁にかけられたドレスに着替えてスタジオに向かい、用意されていたハイヒールははかずに素足で撮影に望む。

ありのままの私で向かい合いたいから、今の私にハイヒールは必要ない。

よろしくお願いしますと大きな声で挨拶し、仁王立ちで、檜山さんの前に立った。

にこりと笑った後、ファインダー越しに私をのぞいてシャッターをきりはじめた。



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