飲みやすいように缶を開けて供えた。

昼過ぎに来たのに、気付けば辺りは朱くて…

お墓って、掃除をしてると時間がすぐに経つ。

帰りの挨拶をしようとお墓の前で手を合わせていた私の耳に、誰かが私を呼ぶような声が入る。

舞ちゃん、舞ちゃんと呼びながら徐々に近付いてきて、その正体は修平だった。

「舞ちゃん!」

私の姿を見付けた修平は一目散に走ってきて、抱きしめてきた。

「ちょっと…こんな所誰かに見られたら…」

離れようとした私を更に力強く抱きしめた。


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