ナルシストの隣

次の日―――

「行ってきまっ!!?」

勢いよくドアを開けて外に出て、二度見してしまった。

私の家は一軒家なんだけど、その家の前に真っ赤で立派なスポーツカーの横に昨日のあの男が立っていて、とびきりの笑顔でやあと手を振っていた。

ア然として言葉が出なかった私にすかさず声をかけてきた。

「太陽の光を浴びて余計に輝いている僕に見取れて声もでないのかい?」

そんなわけない。

朝っぱらからこの勘違い男を相手にするのは辛いものがある。



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