「――あたし、あの特攻服ほしい」

あたしにそんなこと言われて、
あきらかにビビってる奈美。
今は放課後で、あたしと奈美は部活をサボって、
屋上で話してる。

「何?あんた、目覚めたの…?」

「いや、そういうわけじゃ…」

ただ、かっこいいなーと思っただけ。
あれを着たらどんな気分になるんだろ。
着たいと思っただけで……

「でもやばかったよねー」

「え?どういうこと?」

「あんた、奏太さんにタメで話してたじゃん」

「え、だめだったの?」

「んーまぁ、今更奏太さんにタメで話すヤツ少ないからねー」

奈美がそれを言い終わったとたん。

『ブォォォー』

バイクの音。
地震でも起きたんじゃないかと思うぐらいの振動。