あの日以来、雨は降らない…。

「はぁ~憂鬱…。」

先輩は、また来いって言ってくれた。

「あたしが、来たわけじゃないのに…変なの…。」

でも、雨の日限定…。

会いたいのと会えないのと、背中あわせに立ってる。

「なんとかなんないかなぁ~」

あたしは、必死に雨を降らせようとしていた。

テルテル坊主を逆さにつってみたり、お寺までお参りに行ったり…。

先輩にここまでするなんて、あたし…馬鹿だ…。

きっと、どうにかしちゃってるよ…。

でも、どこかに会いたいあたしがいるからこんなことしちゃうんだ…。

「もぉ!!!雨降ってよぉ!!!」

叫ぶと、いつもならスッキリするはずなのに、今日はなにか変…。

でも、そのあとすぐに気がついたんだ…。

「先輩…会いたいよぉ…。」

その瞬間、強い雨が降り出した…。