オリジナル・レイズ


私は今、宇宙を超えてこの人に恋をしている…


「…不思議だよな、俺とツバサが出逢ったこと。考えてみれば」


隣で呟く全くん。
…なんだ。
同じこと考えてたんだね。


「天文学部のこと…明日センセーに相談してみる」


空を見上げながら、全くんは言った。




ねぇ 全くん


ここで以前、二人で流れ星を見たね。

流れ星にお願いすると叶うって教えてくれた日。

あの時、私は何もお願いできなかった。

だから今、心の中でそっと唱えたんだ。



全くんが死にませんように。







――数日後


私が中庭にしゃがみこんで全くんを待っていると、人の気配がした。

全くんだと思い顔を上げると、そこに立っているのは…

全くんと、天体望遠鏡を持った渡先生。