野島はザク工場で働いていた。
ある日の昼休み、食堂で昼食をとっていると、

「おや、これは左足ラインの野島君じゃないか。調子はどうだね?」

と、右肩ライン担当の佐々木が声をかけてきた。

佐々木は伊達男で、工場から支給された作業着ではなく自前の白いつなぎを着用しており、その胸にはバラの刺繍が入れられている。