しかし…残された人間たちは諦めていなかった…

聖女がいたからである…

いずれ…また巻き返す事ができる…

しかし…その希望は…打ち消された…

死神が結界を破り聖都へと侵入してきたからである…

戦う戦力や士気はもうなかった…

魔族の下に戻るしか道はなかった…

か…に思えた…

その時…

「お待ちなさい!!」

人々が振り返ると…そこに聖女がいた…

「あなたの目的はいったい…何です??」

周りにいたものは驚いた…死神は魔族だ…反旗をひるがえした人間を滅ぼしにきた…そうに決まっている…

「私はあなたが…望んで…こんなことを…しているようには思えないんです…」

「……………」

「あなたは人間を一人も殺していない…」

皆は驚いた…
確かに…怪我人や魔術による呪いにかかった者はいたものの…死者は今までの戦に比べ少なかった

「あなたの目的は…??ほかにあるのですね…」

「………時期に魔王直属の軍隊がくる………」
ジハードが口を開いた…

「この世界を今まで以上に…締め付けるつもりだ…」

「…お前は人間たちをつれ逃げろ…」

「いいえ…私はこの国の為に戦います…」

「マリア様…おやめ下さい…あなたが死ねば…希望が亡くなります。」

聞き覚えのある声だった…黒い布を深々と被った男四人がそして骸の仮面を被った者たちが…ひざまついた…

「あぁ…あなたはアシュレイなのですね…生きていたのですね…」

黒い布をまとった男に歩みよる…

「何故…私に何も教えてくれなかったのです??」

「魔王を信用させ…虚をつくためです…」

「私も…あなたたちと一緒に…」

「…駄目だ…今までの事が全て無になる…魔王をこの城に…おびき寄せ…前聖女の力が残る…この地に封印する…」

「お兄様…」

「お前は子を宿し…この地を繁栄させ…代々子孫たちに守らせるのだ…」

『なら…約束して下さい…必ず…皆生きて戻ると…』

それから…時がたち…