「どうしたの?」 通りかかった看護士さんが、寄ってくる。 「ん?名前聞いてただけだよ」 「ああ。この子ね 今、うまく喋れないの。 さくらって言うのよ。 みのる君仲良くしてあげてね」 「ふーん、さくら今何才?」 私は、右手を1本、左手を2本たてた。 「12?じゃ、俺のがお兄さんだ。俺、14だもん」 「……中………学?」 「そう。さくらは小学生だね」 みのるが笑った。 窓から差し込む夕日のせいか、 笑顔がやたらまぶしかった。