505号室…

ものすごく緊張しながらも

俺は部屋に向かった。

病棟が大きくて

まるで迷路のようだった。

505号室に着いたとき…

ちょうど部屋から子供が出てきて、俺にぶつかった。

「こーら、コウくーん!」

それに続いて、母親が出てきた。

「すいません!ほら、コウくん、誤りなさい!」

子供は何も言わず、俺を見上げていた。

俺もボーっと見ていた。

505号室、この子供…

この母親…

「高橋さん?」

そう言うと、その女性は、目を丸くして俺を見ていた。