「あ、あのっ!」
「はい?…」

呼び止められて、振り返る店員にさちは続けて尋ねた。

「…人…ってどういう意味なんですか?」

店員は、最初はどこか腑に落ちなかったらしく、悩んでいたが、すぐに質問の真意を理解した。

「お客様…もしかして当店のご利用は初めてですか?」

「えぇ…。」

「やはりそうでしたか…。それでは当店について分からないところが多いことでしょう…いくつか説明させていただいてもよろしいですか?」

「お、…お願いします。」

そこまで話をすると、店員は少し考え始めた。おそらく、どこから話せば良いのかを考えているのだろう。

その間もさちは、自分なりに考えてみたが、分からないところが多すぎて、収拾がつかなくなるので考えるのを止めた。
しばらくして店員は口を開いた。