「新しいヒトをお求めになりますか?」





新しい…人…?

さちは、その言葉を聞いた時、なぜか胸が高鳴った。


あれ?なんで私ドキドキしてるんだろう…?


さちは、この時、自分の感情に疑問を抱いていた。だが、それを無視して、言った。


「…あの…ほしいです。私…新しい人が……」


それを聞くと、芝樹は、

「かしこまりました…ではこちらへどうぞ…」

と言って、さちを店内に促した。


さちは入り口を抜けて、またあの奥の部屋に来た。

あの時と変わらず異様な光景が広がっていた、変わった所は、タケシのいた左のケースが空になっていたことだけだった。

後ろから芝樹が続いて部屋に入って、

「ただいま、若いヒトは入荷しておりませんので、申し訳ございませんが、この二人の中からお選び下さい。」

と、さちの後ろから語り掛けた。