「な…!!」
「あーあ、赤くなっちゃって。
詩音チャン、かわいいー!」
茹でタコ状態のあたしを蒼維はおもしろそうにからかってくる。
そんな蒼維をよそに、あたしはただ俯く事しか出来なかった。
あたしのこの無謀な恋心を知っているのは、蒼維ただ一人だけ。
蒼維はイタズラっ子のように笑うと、あたしにある提案をしてきた。
「詩音さ…もう少し自分に自信を持ってもいいんじゃない?」
「…じ…自信?」
「そう、特に外見とか」
コーヒーを上品に飲みながら笑う蒼維に対して、あたしは首を横に振る。
「無理だよ。
あたし、蒼維みたいに可愛くないし、かなりブサイクだもん」
真っ黒な三つ編みに、コンタクトなんかいらないピン底メガネ、化粧気がない顔。
この外見を持って、どう自信を持てばいいかが分からない。
.

