「詩音、こっちこっち!!」
「蒼維(アオイ)、待たせてごめんね」
人でごった返す社員食堂の中、あたしは人混みを掻き分けて蒼維がいるテーブルへと足を運んだ。
あたしの姿を確認した蒼維はニコッと笑った。
蒼維は、あたしが唯一なんでも話せる友達。
あたしとは違い、スタイル抜群で凄く綺麗な顔立ちをしている。
この職場で出会ったあたし達。
昔、蒼維に聞いてみた事がある。
―――「なんで蒼維はあたしと一緒に居てくれるの?
あたし地味だし、蒼維も悪く言われるかもしれないのに…」
「何言ってんの詩音。
あたしは人を外見で決め付けたりしない。
詩音は凄く綺麗な心をしてるから」―――
.

