「有末さん、これコピーよろしくね」 「は…はい…」 分厚い資料の束を、同僚があたしに押し付ける。 その同僚は、あたしの事を見下したような目で見ると、ロングの髪をなびかせながらその場から立ち去っていった。 「またか…」 あたしはメガネ越しに見える資料の束を見つめながら溜め息をついた。 真っ黒な三つ編みに、 コンタクトなんかいらないピン底メガネ、 おまけに化粧気がない顔。 そんな外見を持つあたしこそ、彼氏いない歴20年の独身女、有末 詩音だ。 .