大きなガラスの向こうに広がる夜景を見ながら、あたしはカクテルグラスを傾けた。


あたしは舜に連れられて食事をした後、ホテルの最上階にあるバーに来ていた。


舜はこういうところにもよく来ているようだけど、あたしは初めてだった。

ゆったりとしたソファ。

洗練された内装。


高級で贅沢な空間にやっと慣れて来た頃、舜が何かに気付き「あ」と小さく声を漏らした。

あたしは、舜の視線の先を追った。


「あっ、水野さん!?」


バーの入り口を入ってきたのは、昼間、秋山さんのところに来ていた営業の水野さんだった。