フロアを抜け、自動販売機の並ぶエリアに出ると、舜が缶コーヒーを取り出したところだった。


「ほら」

「ありがと」

あたしは缶を受け取り、コーヒーを一口飲んだ。


「なんか参るよなぁ」

舜が自動販売機に寄りかかって独り言のように呟いた。

あたしが舜の顔を見ると、舜はあたしに目を合わせてきた。

「かりん、モテ過ぎだろ?」

あたしは赤面した。

「な、なに言ってるの?
モテるのは舜の方でしょう?」

ドキドキしながら反論した。

しかし、舜は斜めにあたしを見下ろし、ぷいと目を逸らした。

「さっきのヤツの視線、気付いてたろ。
かりんだって気付いたからアイツのこと見てたんだろ?」


う、図星……