あたしに拒否権はなかった。 「……わかった」 あたしがうなずくと、舜はしばらくあたしの顔をじっと見てから言った。 「今日は逃げるなよ。 あいつがいないから大丈夫だとは思うけど」 あいつ、とは、もちろん秋山さんのことだろう。 大きく頷くと、舜はやっとあたしを解放してくれた。