しかし、秋山さんはYシャツ以外の服は貸してくれず、あたしはしかたなくその格好のまま、秋山さんが作ってくれた朝食の席に着いた。
まだまだ残暑の厳しい9月上旬だから風邪を引くことはないと思うけど、秋山さんの趣味にはちょっと閉口。
でも、目の前に出された朝食には、目を見張った。
「料理上手なんですね」
あたしはちょうどいい焼き加減のベーコンエッグを頬張り、感心して言った。
「一人暮しが長いからこれくらいはね。
でも、凝った料理はできないよ」
ベーコンエッグにグリーンサラダ、トーストとカフェオレ、ヨーグルトとグレープフルーツのデザートまであれば、朝食としては完璧じゃない?
昨夜はよく見ないうちにベッドルームに入っちゃったけど、見回せば、リビング&ダイニングもすっきりと片付いていた。


